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Break Point

好奇心の赴くままに。アルドール代表・里村が様々なゲストにお話を伺います。

福井烈さん①「2020年東京オリンピックとテニス界のこれから」

2017年4月7日

「Break Point」では、アルドールテニスステージ代表の里村望が好奇心の赴くまま、ゲストにお話を伺います。
初回ゲストは日本テニス界のレジェンド、福井烈さんです。
テニスをはじめとする日本スポーツ界への想いや、大切にされている考え方などを伺いました。

【福井烈(ふくい・つよし)さん プロフィール】
1957年6月22日生まれ 福岡県北九州市出身のプロテニス選手。全日本選手権シングルス優勝7回の史上最多記録保持者。正確なストロークと軽快なフットワークを武器に、オールラウンドプレーヤーとして活躍。92年より5年間デビスカップ監督を務め、その後(公財)日本テニス協会常務理事、JOC(日本オリンピック委員会)常務理事に就任。
福井烈さんの詳しいプロフィールはこちら

 

——競技生活を終えた後も、国際大会での日本チーム監督等を歴任されたりと非常にお忙しくされてきたと思いますが、今現在はどのような活動をされていますか。

 今はJOC(日本オリンピック委員会)常務理事としての活動がメインです。選手強化本部の副本部長をやっています。また、東京オリンピックの戦略特別専門部会長として、部会の皆さんと協力しながら様々な競技をサポートしています。
 日本テニス協会では常務理事という立場で、他にもJSC(日本スポーツ振興センター)ナショナルトレーニングセンターの副センター長、スポーツ庁の参与、北九州市スポーツ大使、三重県四日市市の観光大使、ブリヂストンスポーツのプロ契約をしています。

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福井烈さん


——すごいご活躍ぶりですね!

 2020年の東京五輪では、競技数がリオ五輪から5つ増えて全33競技となりますが、JOCではその全ての競技のサポートをしています。テニスという枠を出て、スポーツ全体を視野に仕事をしているわけですが、この活動がいつかテニス界にも役立ち、恩返しできると信じ取り組んでいます。


——2020年東京オリンピック開催という好機を迎え、テニス人口を増やしていくために我々もテニススクールという立場から頑張っているわけですが、福井さんが考えていらっしゃるビジョンがありましたらお聞かせください。

■96年振りのオリンピックメダル獲得。選手がさらに活躍できる環境を
 オリンピックの歴史において、日本で最初にメダルを取ったのは、実はテニスなんです。1928年アムステルダムオリンピック三段跳びの織田幹雄さんの金メダルが日本初だと思っていらっしゃる方がとても多いのですが、織田さんは最初の「金」メダルです。それよりも8年前、1920年のアントワープオリンピックで、男子テニスシングルスの熊谷一弥さん、同じく熊谷さんと柏尾誠一郎さんの男子ダブルスが、日本人のスポーツ選手として史上初めてのオリンピック・メダルである銀メダルを獲得しました。この事は数年前まで、ほとんど知られていなかったのですが、錦織圭選手が言ってくれてたくさんの人に知られることとなりました。我々はこの、先輩方の栄光を引き継いでいかなければならない責任があります。
 テニスはオリンピックの正式競技から外れた時期を経て、1988年のソウルから正式競技に復帰しましたが、日本には1920年以降全くメダルがありませんでした。それをリオ五輪で錦織が96年振りに獲ってくれて、日本中がとても盛り上がっています。この盛り上がりを東京まで繋げていきたいですね。
 最初のメダルを獲ったのが1920年、東京オリンピックは2020年だからちょうど100年。「100年の時を超えて、メダルの色を変えよう!」と活動してきたところ、リオで96年振りに錦織がメダルを獲ってくれたので、じゃあ次は選手がもっと活躍できるような環境を作っていかなくちゃいけないぞという考えが根本にあります。それが一つですね。

■普及〜育成〜強化のサイクル確立が急務
 あとはやはり、普及と育成と強化は絶対にワンセットであるということ。人材の発掘を含めた普及があって、育成、そして強化がある。競技の振興にはこのシステムの構築が絶対に必要です。例えば、TENNIS PLAY&STAYを推進することで、今までテニスをしたことがない人がテニスを経験し、普及・発掘ができる。それが定着していくと、その中からテニスをもっとやりたい子が出てくる。そうすると育成のプロセスに移ります。ただし、PLAY&STAYは普通の体育館でもできますが、育成の段階になるとテニスコートが必要です。そこで有効なのが民間クラブです。他にも学校や公共施設がありますね。この民間クラブ、学校、公共施設と上手く連携できれば、その中で才能のある子が出てきて、協会に繋がっていく。この連携システムの構築が、今はまだまだ足りていないと感じます。
 育成の段階を経て、最終的に強化のプロセスとしてナショナルに行く、それこそ数パーセントのトップ選手が、今の錦織圭選手や大阪なおみ選手のように活躍することによってテニス界が盛り上がる。その循環によって、テニスをやりたい人が増え、また普及・発掘に戻っていくのです。
 一連のプロセスは歯車のように全て繋がっていて、どこか一つが欠けたら上手く回らないんですね。今まではなかなかトップ選手が苦戦して先細りになっていましたが、今がチャンスだと思っています。ましてや2020(東京オリンピック)が来る、こんな追い風はありません。日本のスポーツ界はテニスに限らず、この追い風に乗り遅れる競技は将来が無いと断言できるほどの岐路に立たされています。テニス界も今こそ、選手だけではなく、民間クラブもメーカーも含め、全体で心を合わせ活動していかねばならないと強く思っています。

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アルドールテニスステージ代表 里村望


——テニス界は錦織選手の活躍によって盛り上がっていますし、我々民間クラブも、ジュニアのお客様が増えるといった「良い循環」を感じているところですが、実際に錦織選手に続く人材は育っていくでしょうか。福井さんご自身はどのような感触をもっていらっしゃいますか。

 大変難しいことだと思いますよ。日本のテニス100年の歴史で、錦織選手一人しかいないのですから。このレベルの人間が急に何人も出てくることはまず考えにくい。ですからまず、そういう人が出て来やすい環境を作ることですよね。例えばひとつ例をあげると、錦織にしても西岡にしてもアメリカで練習して強くなってきたわけですが、そういう環境がもし日本にあれば、アメリカに行かなくても練習ができる。高度に整った施設と有能なコーチが国内に必要です。極論を言えば、外国のプロが日本に来て練習をするくらいの、究極にはそういう環境にならないと、皆アメリカやスペインに行ってしまうわけです。


——例えば育成プロセスで、福井さんが考える究極の環境とはどういったものでしょう。

 育成の段階では、そこまで環境に神経質にならなくてもよいと思っています。この段階では素振りや球出しだけでなく、ゲームをしながら育っていくので、あくまでそれが可能な程度の人数で練習を行い、その中で強い選手が出てきたら、それに応じて環境を変えていくイメージです。
 また、普及の段階では人数が多くても楽しく練習ができれば全く問題ないと思っています。そこは指導者の腕の見せ所というか。やはり指導者が楽しさを上手く伝えてあげられないと、いくらいい環境があっても無駄になります。逆に環境が少々悪くても、指導者がしっかりしていれば、次に繋がる可能性が出てくると思います。

 

福井烈さん②「信条と想い」につづく

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